共著「WordPressオリジナルテーマ制作入門」が1月13日に出版されます


こんにちは、みみです。

本年もどうぞよろしくお願いします。新年早々宣伝記事です、いえい。
ゆく年くる年はPodcastでやってしまった心地になっています。

さて、表題の通り「WordPressオリジナルテーマ制作入門」という書籍をゆっきーさん@yukishimizu910のお誘いで書かせていただきまして、2022年1月13日に技術評論社さんから出版の運びとなりました。わーい🎉

さて、このブログ記事を読むような人に宣伝してもあんまり意味がない気がしますが、半分以上は私の思考メモとして紹介的な何かを書いてみました。

何故書いたのか

凡そひねくれた私は、普段はあんまり直接的なテクニックが書かれた技術書的なものを読んだりしませんし、WordPressの本は自慢じゃないですが未だに一冊も持っていません。ごめんなさい。

Webは文字通りの日進月歩を地で行くものなので、プロジェクト開始からリリースまで結構な時間がかかってしまう印刷物という媒体とあんまり相性が良くないんじゃないかなと思っています。系統立てて一連の概念や哲学を紹介しているような書籍は良いと思うんですが。最近だとEvery Layoutの翻訳本は秀逸でした。

ただ、ともかくまずもって、ゆっきーさんには2019年のWordCamp Tokyoで大変お世話になりまして、とても素敵でひと目お会いしたときから大好きな方なので、私で何かお役に立てるならなんでも!の心でお受けさせていただきました。

それと、自分は読まないながら、WordPressコミュニティに参加していると案外みんな書籍でWordPressを学んだとか、入り口が書籍だったという話を聞いていまして。そういえば私も最初の最初、20数年前にHTMLを触る時には大学の助教授から借りたHTMLの本が取っ掛かりだったなあということを思い出しました。誰かの取っ掛かりになるモノを作ることにはちょっと興味があります。あと、公式ドキュメントにリーチしない層へのアクションになりそうだなあと思ったりしました。

(ちなみによく聞く話のとおり、金額的な話でいうとコミット量に対して全く割に合わないので、報酬のために書くモチベーションは全く湧かないです。コンビニのバイトのほうが圧倒的に割が良いです。)

また、内容が良くある初めての方向けではなくて、コミュニティでも良くお見かけする普段からWordPressを触っている方向け、というのにも惹かれました。あと基本的にブロックエディター対応の辺りの担当だったので、それならまあ、ブログにも書いているし何回か発表もしたし比較的説明し慣れているのでお役に立てるかも、と思ったのでした。まあフラグなんですけどねこれ。

WordPressは十人十色に染まることが醍醐味

そう、ブログは自分のための公なメモ、だから好きな文体、文体すらない走り書きでも良いと思っているのですが、やっぱり印刷物になる書籍の文章、しかも共著だと色々と難しかったし、技術書が出来る工程を知ることが出来たこと自体が先ずとても学びになりました。これだけで携わらせていただいた甲斐がありました。ご一緒していただいた皆様、改めてありがとうございます!

また、ゆっきーさんが以前担当された講座でのお話が元なので、私がこれまでやったことのない「HTMLとCSSで静的に組み上げたサイトをWordPress化する」という手順をベースに話が展開されています。…え、マジで!?と、多分、私の普段をご存知の方は反応されそうな気がします。

前提が、HTMLとCSSの知識はあるけれどPHPは触ったことがない人向けなので、講座として、書籍としてなるほどな手順なのですが。2022年の実案件では有り得ないじゃないですか。

いや、もちろん昔は、10年前ぐらいにCakePHPとかでサイト作ってフロント側担当だったりした時にはやりましたけどね、静的にまず組む、という手法。

しかし、ブロックエディター前提のWordPressには、まっったくそぐわないというか、工数跳ね上げるだけです止めましょう。今もしそんな案件を聞いたら、全力で止めますし受けません。静的で組まれて放置されているサイトをWordPress化したい、みたいな案件でも、まず仕様検討から入るしそのままWordPress化なんて以ての外です。リニューアルというのはコンテンツを再考する大チャンスです。そういうのは、そもそもWordPressで良いのかどうかから検証しよう?

でも。私の知らない世界では、今この瞬間もきっとそのような手順で構築されているWordPressのサイトが存在するらしいのです。

…なるほど、なるほど。きっと、WordPressを、事前に組まれたDBがあってHEADの中身とかページネーションなどを良きに計らってくれるツールとしてだけ使われる世界があるんですね。分からなくもな、いや分からんな、分からないけれど、慣れたワークフローでリーズナブルな価格帯でサイト構築サービスを提供しているんですねきっとね。ウォーターフロー大好きだからね日本人。すみません、想像だけで書いてます。

究極、OSSだから、好きに使ったら良いのですよ、無償ですし、何かルール違反(ルールすらないけど)をしたら保障されない何かがある訳ではないので。自分の裁量でどうにでも出来るのがWordPressの利点でもあるのです。100%GPLなんてどうでも良いんだって使うだけなら。10人いたら10通りの使い方があるのがWordPressの醍醐味ですよね。

ただ、もしそういう前時代的な方法で構築されたサイトがこれからも量産され続けるなら、そういうサイトのリニューアルとかをWordPressだからという前情報だけで受託してしまった不幸なウェブデザイナーさんとか、HTMLとCSSなら少しは分かるというだけで初っ端そんなサイトを持たされたWeb担さんとかが、これからも、短くとも数年間はいらっしゃるんだろうな、と思うのです。

コミュニティ的に「お行儀良く」書かれたソースやテーマしか見ていない場合や、そもそもPHPが何なのかよく分かっていない状態で、どうにも一見解読が難しいレガシーにぶち当たってしまって誰にも詳しく聞けない状況の時に(あり得なさそうなのに実際はよく聞く状況ですよね)、この本が少しはお役に立てるヒントや取っ掛かりになるんじゃないかなと思っています。

こんな人にオススメです

…というのは、すみません、私のかんなり穿った見解からのどうしようも無くひねくれた分析ですが、単純に初めてWordPressでオリジナルテーマを作ってみたい人にももちろんオススメです。

1. WordPressでオリジナルテーマを作ってみたい!

5.9がリリースされブロックテーマがデフォルトになろうとしている今、本当にループの理解が必要?と思われるかもしれませんが、たぶん、必要だと思います。そもそも現時点でブロックテーマの情報に行き着いている人にはこの本は必要ないです、さっさと公式ドキュメントを読んで手を動かせば良いだけです。

もーしかしたらCSSの理解はあんまり必要無くなるかもしれませんが、ブロックテーマであろうとWordPressのコアがPHPで動いている事実は変わりません。…あと3年したら私も自信がありませんが、向こう1,2年でPHPの知識ゼロからテーマを作ろうと思う人が居たら、この本はオススメになるかなあと思います。

2. WordPressのテーマについてもう少し詳しく知りたい

入門書といわれる各種書籍を読んで、WordPressを普段から触っているけれどちょっとしたカスタマイズに躓いていたり、テーマのそもそもの成り立ちが気になってきている人にもオススメかと思います。

ただし、ほんとうに入門なので、いってもPHPの文法とWordPressのループぐらいは分かるよという人にはあんまり手応えがないかもしれません。あとCSSについては全く解説がありませんのでご了承ください。

3. 今のテーマをブロックエディターに対応させたい

主に私が担当した部分で、テーマをブロックエディターに対応させる初手を丁寧に解説しているので、ブロックエディター化したいけれど公式の情報だとイマイチ分かりにくくて、まだ踏み出せない勢がもしいらっしゃるならオススメかもしれません。

私的にはこの辺り、2018年のブログ記事を清書した気分で個人的にちょっとすっきりしているポイント。あ、そうか、この辺の記事にリンクをぶら下げておこうかな…。

4. WordPressの教材が欲しい

ゆっきーさんが丁寧にWordPressの成り立ちから解説をしてくれているので、HTMLとCSSは一通り習った次に手にする「WordPressってなに?」という教材にも結構良さそうかな、と思います。もちろん、公式情報が一番良いんですけれど(この本の中でも最終的には公式を見れ、というのは再三出てきます)、公式サイトをいきなり教材にするのは難しいかなと思うので。

これは紹介記事なのか

…というわけで、ここまで書いてみましたが、どうだろう、逆に売上げの妨げになったらゆっきーさんはじめ共著者のみなさま、ごめんね…。まあネタ記事ですし、ターゲット層にはあんまりリーチしないからきっとだいじょうぶ…。


今年の一本目の記事が自身の著作物の紹介になるとは。2022年もまだまだWordPressとの縁が切れそうにありませんが、せっかく身軽な身分なので、こだわらずに色々と遊んでみたいなと思っています。


この記事を書いた人