岡山WordPress Meetupで「そのデザイン、どうやってWordPressに落とし込んでる?」 という話をしてきました


こんにちは、mimiです。

今日は、先日、岡山WordPress Meetupでお話してきたらとても楽しかったので、感じたことをブログに残しておこう…と思って書き出したらどえらい長文になったのでほどほどにお付き合いください。

当日の資料としては、走り書きみたいなスライドで申し訳ないのですがこちらhttps://www.figma.com/proto/NVCTJOL506rZJJRznHa5kg/Slide?node-id=3-12&scaling=contain&page-id=0%3A1

当日の様子をまとめてくださったブログはこちら
https://okayama-wp-comunity.org/20230422vol7/

なぜ岡山?

そもそもは私が岡山大学の出身でして、主催者の方と仲良くさせていただいていて、じゃあぜひ岡山に遊びに行きますねー!とウキウキなお約束したのがきっかけなのですが。

コロナのために、気が付けば3年越しとなってしまったそんなお約束を果たしに行く、という名目で第二の故郷岡山でお話させていただきました。最大20人ぐらいでこじんまりと、の集まりなので東京みたいに緊張したりしなくていいなとは思ったのですが、案外と広島や大阪からもご参加され、今日はじめて触るという方からまでの上級者層までのバラエティに富んだ集まりに。WordPressって相変わらず、ほんとに幅広い層に使われているんだなあと改めて感じさせられました。参加者の比率はスライドのアンケートなどを参照してみてください。

何を話そう?

また事前のスタッフMTGでは、ブロックテーマも気になるけれど、まずはまだまだブロックエディターの使いこなし方がわからない、業務にうまく活かせない、というお悩みの声をいただきました。

そんな訳で、最初は私もWordPressの最新情報でお茶を濁せば良いかなあなんて軽く思っていたのですが、久々のMeetupだし、わざわざ時間をかけてこられる色んな層の皆さんになるべく持って帰ってもらえるものがあるようにしたいなあと思い始めてラフを書き出し始めたら、結局、3時間あっても収まらない内容になってしまいました…。

おまけに久しぶりの岡山に興奮したのか、準備不足が心配だったのかわかりませんが前の日になかなか寝付けなくて脳が全然動かない状態で本番を迎えてしまい、色々と抜けがあったりして申し訳なかったのですが、超絶優秀な主催者の方々や参加者の皆さんに助けられ、ふわふわしながらも何とか終わることができました。みなさん本当にありがとうございます。

コミュニティの特性

そして、ぼんやりした頭で、みなさんとワイワイ進めていて、ああここがWordPressのコミュニティの良さだよなあと改めて感じていました。

他のプロダクトやイベントだったら、どうしても完全に私が講師役になってしまうと思うのですが(私が中途半端な感じだったせいもあるんですけどw)ワイワイやるうちに参加者さんの中で助け合いや相談、雑談が普通に起こるのがとても好きです。それはハンズオンだったからでもあると思っていて、LTとか登壇とかより、やっぱりハンズオンがWordPressのコミュニティには一番合ってるなあと改めて思ったりしていました。そしてこういうのはやはりオフラインであるからこその空気感だなあと。

その内容はべつにわぷーを描くでも写真を撮るでも編物をするでも何でも構わなくて、多分単純に何かを作る場自体にポジティブな空気が生まれやすいなあと。そして私が個人的に、参加者全員が手を動かすイベントがそもそも好き、ということかもしれません。コール・アンド・レスポンス、同じアホなら踊らにゃ損、みんな自分の王様、が信条なので。

継続することと、変容への大らかさを保つことの大切さ

そして、ねばならない、が無いのがとても好きです。内容は完全に私の主観からくる話ですし、参加者さんもそれを受け入れる必要はないし、全ては個人の自由、なのが好きです(そのために守るべきお約束はもちろんありますがこの社会に生きる人間としてそれは当然ではないかと思う基本事項ばかりです、まあそれが難しいからわざわざ明文化されているのですけれど…)。

逆に、Not for meだと感じたら、静かに立ち去ればいい。書いてみるとかなり当たり前の様ですが、特に継続をしていると真面目な人ほど雁字搦めになりやすく、出来ないものかもなあと最近思います。

無理せずできることをできるときにできるだけ、を続けていきたいものです。

そんな訳で久々のオフラインMeetupでしたが、WordPressがOSSであることの醍醐味とか拡がり方、可能性を改めて感じられる会でした。そのものはただのソフトウェアなんですけれど、やはりOSSだからこそ、こんな拡がり方・繋がり方が出来るんだよなあとしみじみ思いながら会場を後にしました。

もちろんそれは主催者の皆さんの素敵なお人柄に依るところもかなり大きいと思います。岡山WordPress Meetupではハンズオンが基本ということなので、次回もきっと楽しく和やかな会となるでしょう。お近くの方はお気軽に参加してみてくださいね。

眠さもあって気がついたらあまり写真を撮っておらず。やっと会えた人たちとの記念撮影を忘れていたのは痛恨のミスです…代わりに打ち上げでいただいたご馳走を記念においておきます

6.2からのWordPressでのサイト制作について

個人的には6.2からのWordPressでのサイト制作について、ちゃんと手を動かしつつ考えられる良い機会になりました。本当に、伝えようとすることが一番の学びになるんだなと毎回思います。

3年ほど前から、月2回有志で集まってワイワイしているGutenbergを読む会という勉強会に参加している他の面子が本気のFreaks過ぎて、私までWordPressの中の人判定されているっぽいのですが、実は最近、ここ2年ぐらいはUIデザインやったり、Next.jsでゴニョゴニョしたり、別のCMSの案件をやったりしていて、お仕事でWordPressでの新規案件を全く請け負っていないので(なにかあればお声がけお待ちしてまーす)、こういう機会でも無いとちゃんと手を動かすことが無いのです。さすがに、そろそろちょっとやりたいと思っているのですが営業したことが無いので営業の仕方が分かりませんw

なので超シンプルですがプラグイン書いてみたりして色々と個人的にもアップデートがあったりしました。

WordPressはそもそもノーコード

WordPressはそもそも「ノーコード」「ローコード」という言葉がある前から実はそのスタンスで出来てきているソフトウェアだと思います。

だからその路線は実は全然ぶれていないと私は思っているのですが、みんなが勝手に色々拡張して「なんでもできる」WordPressに仕立ててしまった?感があったカオスな部分がブロックエディターが採用された5.0が出てからはようやくじわじわと分離され、Saasの台頭も相まって、得意な部分だけに使われていくようになる、のだろうなと思っていたのです。

が、ブロックエディターだけではなかなかそれが伝わらなかったというか、まだブロックエディター自体が仕上がり切ってなかったというか、思ったほどは伝わっていなかったことが今回のMeetupでも感じられました。

しかし、6.2となってサイトエディターのベータ表記を取り去っただけあって、ようやくそういう方向にしっかりプレゼンしやすくなったかなと感じました。

新しいことが浸透するタイミングとは

一方で、まだまだUIの操作が難しい部分があるとは思います。個人的にはブロックエディターのデザイン方針は好みなのですが、どうしてもシンプル過ぎたり、抽象化し過ぎたデザインの使いにくさを感じる部分があります。また成熟しつつも活発なOSSであることで、常にあらゆる方向に進化し、またあらゆる人たちの意見が反映されるので、一貫した識別性の維持などが難しい局面が部分的に発生するのはどうしてもしょうがないのですが、それによって生じた違和感や使いにくさをフィードバックでよく聞きます。

またアップデートに追いつけない、という声も良く聞きます。元からWordPressはアップデートが頻繁なソフトウェアですが、ブロックエディター後の激変ぶりはみなさんがよく聞くプラグインやテーマの開発者さんも目を回すほどです。そもそも解読が大変だからみんなで読もうと始まったのがGutenbergを読む会ですし…。

でもそんな大変さも、そろそろ一段落したのかな、という感じがしてきました。ブロックテーマ関連の更新が多かった6.2ではありますが、5.0前からずっと眺めてきて、スクラップ・アンド・ビルドが多かった前半より、大分と変化の波は比較的穏やかになったように思います。

その波がようやく色々と波及して、今回のMeetupでもお話させていただいたように、例えばやっとカスタムフィールドが本来の役割としてだけ使われるようになってくるのかなと思います。まあ、これ5.0出た時から言っていますし本来の役割以外で使ったことは個人的には無いのですが、WordPressに限らず、たぶん、実際に何かが浸透していくタイミングというのは自分の感覚より大体と遅めなんだろうと思います。

サイト制作の二極化とWordPress

もう一つは、最近ウェブデザイナーの卵さんや、初心者さん、新人のコーダーさんなどとも触れ合う機会があって思うことなのですが、サイト制作が本当に二極化してきたなあと思います。

SNSが浸透して「わざわざブログで」という感覚になって久しいですが、同じように「わざわざWordPressで」作る必要があるサイトというのがぐっと少なくなってきたなと思うのです。

こんな面倒くさい人間にも付き合ってくれる奇特な人はいるものでして、親友のスモールビジネスなサイトを長年手伝わせてもらっているのですが、Instagramが主戦場の彼女にとってWordPressはもうToo Muchなのではないかと思うことが多く、先日はSaasへの乗り換えを提案してみたりもしました。それはそれで学習コストがかかるので、一旦は見送りとなりましたが。

スモールビジネスのオーナーが自分で気軽に立ち上げられるウェブサイト制作のサービスは他にももう沢山あります。WordPressがそれに向いてないとは全く思っていませんし、なんだか最近良く見かける気がするのですが、OSSであるWordPressとSaasを比較する意味がよく分かりませんのでそういう単純な比較をするつもりも無いのですが、猫も杓子もWordPressな時代からは本当に卒業だなとは思います。

実際、2017年ぐらいにWordPressもう終わるなと思っていて、何でもかんでもWordPress状態に辟易していた私としては、感慨深いし大歓迎です。そして、あの頃からの改革と進化を思い返すと奇跡的だなあと思います。20周年の今、いまだ圧倒的なシェア率を見て、コミュニティの底力みたいなものも感じます。

20周年おめでとうWordPress!

一方で、ウェブサイトの重要性は「あれば良い」だった10年前とは段違いになりました。期待される機能もクリアしなければならない課題も段違いで増えています。モバイル化やアクセシビリティなどももちろんですが、私が個人的に強く感じるのは、ユーザーが普段良く見て使っているウェブサイトの大体はWebアプリ化し高機能で最適化されているものが多いため、それ以下のサービスだとすぐに不満に感じられてしまう、というところです。

素人が山奥に作った小屋も豊かな自然の中で体験すればそれなりの魅力があるのですが、ウェブには分かりやすい立地の差などは余り無く、すべて同列に並んでしまいます。それが利点でもありますが、サイト制作の難しさでもあるなと最近特に思います。

例えが微妙かもしれませんけれど、まだ水道も通っていない小屋に水洗トイレを設置する大変さはみなさん直ぐに感じられると思うのですが、サーバーの古さや回線の遅さについては中々理解が得られません。WordPressのブロックエディターが実現している諸々の機能の凄さは中々伝わらない代わりに、小さな違和感や使い心地の悪さにはみんな敏感です。

予算を維持しつつそれらの課題をクリアしていくサイトを作るのは、今はどんなレベルであろうと中々に骨が折れる仕事だなと思います。今までが牧歌的すぎ、ということなのかもしれませんけれども。

ではそんな今のサイト制作において、WordPressが得意で、作りやすいサイトってなんだろう?

そういう感覚や疑問はみんなあるようで、先日Gutenbergを読む会でもそんな話が出ました。読む会でゴリゴリやっている人たちは、エンタープライズサイズのサイトに慣れている人が多く、結果、サーバーを初めとしてバックエンドをちゃんとチューニングしてあげる必要があるのはJamstackな感じで作ってもWordPressでも変わらないよね、という話をしていました。エンプラサイズになるとなんの技術を使おうが速度やセキュリティ、費用の話を含め、どっちもあんまり差がない(ぐらい結局めんどくさい)感じ。

ただし、PHPにあまり触れずに来ている人であればJamstackのほうが楽なのは当然かなと思います。あと中規模以下のサイトであればフロントだけ見ていればいい感じもあるのでJamstackが好まれるのはすごくよく分かるなあと。私もJamstackやってて面白いし好きです。

そんな中のWordPressの強みというか特徴というのは、一般的にはエディターのリッチさなのかなと思うのですが、個人的には多言語化と、アクセシビリティなのかなあと思っています。あの辺りの知識と層の厚さは一朝一夕ではなかなか追いつかないレガシーであり、さらに日々進化している様子を見ているとそう思うのですが、ただ、そこを見てWordPressを選択している人は少なそうにも思います。

あとは「とりあえずWordPress」という使い方でしょうか。LP的なサイトをパッとWordPressでとりあえず作っておいて、プロジェクトの方向に応じて改築し増築していくという作り方は比較的やりやすいかもしれないと思います。「素直に作っていれば」他のCMSへの載せ替え等もしやすいです。

しかしそれも、何で作るかというよりどう作るかの方が重要なので、あんまり関係無いかなあと思います。結局の処、恐らく一番肝要でありつつ大体のプロジェクトで見落とされがちな「数年先の更新のしやすさまで見据えてサイトを構築するできるかどうか」は、技術選定だけの話ではどうにもならないので何も言い切れないなあというのが小並な私の感想です。

つまり…みんな何かを売ってご飯を食べなきゃいけないのでいろいろな人がいろんなことを言うのですが、統計データも無い話にグダグダ悩むよりは、さくっと自分の手を動かしてみて面白そうなものに挑戦していく人が一番みていて楽しそうだなあと個人的には感じています。

Figmaのデータをtheme.json化するプラグインを作ってます

というわけで、Meetupでも話をしたのですがデザインから考えるWordPressでFigmaのデータをtheme.json化するプラグインをもくもく作ってみています。もしかしたらもう作ってる人も居る気がするのですが、取り敢えず手を動かしてみるのがやはり一番楽しいので。

ご興味あればご参加くださいね。

…最後まで読んでくれた貴方の忍耐力に感謝します!良いGWを!


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